賭博、ギャンブル、賭け事……これに類する言葉の中で世間的にイメージのいいものはあまりありませんよね。その要因には映画やドラマなどで賭博場を開いているのが警察にばれて、一斉摘発！といった場面が描かれるからでしょう。そう、賭け事は基本的には違法なのです。
 

賭け事って違法じゃないの？

日本国内にはギャンブルと呼ばれる商売がたくさんあります。競馬や競輪、競艇などもすべてギャンブルですし、パチンコやパチスロのほか宝くじやロトくじ、サッカーくじもギャンブルには違いありません。

でもどれも公然と営業して、私たちもそれを堂々と利用できます。なぜかと言えばこれらはすべて「合法」、つまり法律に定められたルールの範囲内で運営しているからです。ところが日本には「カジノ」は今現在違法とされています。

これは日本の法律では「払い戻しが直接国内の賭場から支払われる」状態が違法とされており、カジノはそれに適合するからというのが理由になっているようです。他のギャンブルと言われるビジネスは換金所を別に設けたりして、その対策を講じているので合法なのです。また競馬や競輪・競艇などは国の運営なので合法です。
 

日本にはオンラインカジノを取り締まる法律がない

ではオンラインカジノはカジノなのだから違法なのかと言えば、そうとはいえません。法律上、両者は少し性質の違うものだからです。というのもオンラインカジノの運営会社は国内にはありません。これらはすべて海外サーバーを経由して運営されています。したがって、これは海外旅行中に日本人がカジノで遊ぶのと同じ状況とも言えるのです。

 
しかし法律関係者も「だからといって合法である」と胸を張って言える状態にはなく、現状オンラインカジノは「グレーゾーン」にあると言わざるを得ません。
 

衆議院質問答弁ではこんなことも……

現在オンラインカジノは日本国内でも多くの利用者があり、実際に大儲けをしている人もたくさんいます。しかしここまで見てきたように現在の法律では「グレーゾーン」には違いありません。この状況を見た階猛議員は2013年10月22日の衆議院会議でこんな趣旨の質問をしています。

近年インターネットを通じたオンラインカジノを案内したり、利用したりする人間が数多くいる。彼らはこれを日本人が海外旅行でカジノをプレイするのと同じだと言ったり、必要的共犯が成立しないという理由で違法性を否定する。しかしこれは十分日本の賭博罪に適合するのではないだろうか。
出典：http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/a185017.htm

これに対して政府はとても慎重なトーンで答弁をしていますが、階議員の質問5項目のうち4項目について次のような前置きをしたのです。犯罪の成否については、捜査機関が収集した証拠に基づいて個々に判断すべき事柄であることから、政府として、お答えすることは差し控えるが（以下略）
引用：http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_shitsumon_pdf_t.nsf/html/shitsumon/
pdfT/b185017.pdf/$File/b185017.pdf

この後に続くのは簡単に言えば「ふつうに考えれば違法ではあると思うんですけど･･･」という趣旨のなんともはっきりしない言葉。つまり政府の公式見解は「やっぱりグレーゾーンですね」と解釈するに値する回答だったのです。

現時点（2015年4月）では、オンラインカジノでお金を賭けたプレイを認めている法律がある訳ではありませんが、逆にプレイをしてはいけないという明確な法律もありません。オンラインカジノを運営している運営会社が海外で合法なライセンスを取得して運営している訳ですから、私たちがプレイすることが違法だとは言い切れません。カジノ法案が正式に成立されることを望むばかりですね。